最近聴いてるのを挙げておきます
ここ数ヶ月長い文章を試験以外で書いてこなかったので腕がなまってますね。フォロワーさんに最近聴いてる音楽を尋ねられたのをいいことに、いろいろ書きます。
◆井上陽水「最後のニュース」
元から知ってはいたんですが、なんとなくこの曲が頭に浮かんで最近よく聴いてます。循環コードに、毎日流れてくるニュースの裏側を思わせる核心を突いたフレーズが繰り返され、サビは「いま あなたに/Good-Night ただ あなたに/Good-Bye」と語りかけるという構成。
歌詞の中には作曲当時から変わらない社会問題(虐待・薬物・国際化・男女の人権・銃社会など)が生々しく描かれています。タイトルからもわかるんですが、「筑紫哲也 NEWS23」(TBS)でアンカーを務めた筑紫哲也さんからの依頼で書き下ろされており、それ故の歌詞でもあるんですが、語りかけるように歌うことで「決してそれは他人事ではない」と考えさせる点、凄みがあります。
◆坂口有望「空っぽの空が僕はきらいだ」
「夢は必ず叶うはずだった」という歌詞をさらりと書いてのけるシンガーソングライター。ヤバすぎる。風のような歌声と心の痛いところを突いてくる歌詞が調和してる一曲。これで高校3年生ですからね。
現実はそのまま受け入れられることばかりでなくて、慰めのようなハッピーエンドの事ばかり聞いていても、また一方で残虐なバッドエンドを見ても、どっちにしても心が沈んでしまう今日この頃に、切ないだけで終わらない後悔こそが大事なんだなってこの曲を聴いて思いました。後悔することは決してネガティブなことではない。
◆ニノミヤ店内BGM
曲じゃないですけどね。実は私には倒産した企業の歴史を知るという趣味がありまして、ある日その過程で倒産した企業のCMを見ていたら偶然これを見つけてしまいました。ニノミヤは関西で展開していた家電量販店です。
コーラスワークといい、コシのあるボーカルといい、サックスプレイといい、ただ電気屋に買い物に来てるだけなのにそんな盛り上げられてもというレベルの高さ。店自体は2006年頃に自主廃業してしまって現存していません。私もニノミヤには行ったことがありません。
◆ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」
やさしい。とにかくやさしい。
歌詞のやさしさが沁みる。特に吃音持ちの方や、大事なことがすっと言えない人にとっては本当に刺さると思う。本当に大事なことは、大事だからこそ、言わないといけない。それもみんな歌が教えてくれた。
ちなみにハンバート ハンバートさんは夫婦で活動を行っていらっしゃいますが、今年は平日にしかライブを行わないそうなので気になった方はそれを考慮の上でライブに行くなりしてください*1。
◆電気グルーヴ「人間大統領」
わ け が わ か ら な い 。
まあ、でもトランプみたいなのが大統領になれるなら人間全員大統領になれるだろバーカ、くらいの気持ちで作ってるのかもしれない。あるいはそうじゃないのかもしれない。元気はもらえる。「人面犬が副大統領」あたりが本当にわけわかめって感じだった。電気グルーヴって凄いんだな、と初めて聴いた僕はそう思いました。
◆M「Pop Muzik」
僕はJTのCM経由で知りました。変な曲でしょう。変な曲でしょう?でもこれが大ヒットしたんです。この浮遊感が何回か聴いていると癖になります。気の抜けたコーラスと気の抜けたボーカルの交差が凄い。なによりこんなに凄いテクノが70年代末にはもう生まれていたなんて。イギリスって不思議。
◆ハナレグミ「家族の風景」
僕は、ありきたりで普通の家族なんてのは本当は存在しなくて、どっか変な風景がひとつはあるもんだと思っていて、そういう意味でこの曲のワードセンスは僕の心の琴線に触れたのかなあと推測。デフォルメされた家族像なのに、その深淵にある語られないセンチメンタルを匂わせる言葉。こういう言葉がなければ語られない人たちがたくさんいるんじゃないかな。と、僕が勝手に思ってるだけですが。
こんなもんでしょうか。
僕の今回のお勧めは「空っぽの空が僕はきらいだ」です。それでは。