風見鶏はどこを向く?

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旅をする前に考えたこと

 僕は、長期の休み中に少なくとも一度は旅に行く人間である。旅と言っても日帰りがほとんどの「小旅行」。大概の場合、僕の両手はカメラを持っていて、食べ歩くか風景を撮るかの二択になっている。

 今年は尾道を旅行先に選んだ。文章が恥ずかしすぎるので記事は持ち出さないが、実は何度か尾道に訪れていて、このブログでも一度だけ尾道旅行について写真を使いながら書いた覚えがある。大まかな流れはこうだった――尾道の寺に行き、その足でサイクリングをし、何も考えていなくて体力不足から熱中症になり、尾道ラーメンを食べそびれた……みたいな。

 ただ、今回の旅は、そこまで観光を欲張るわけでもない。行きたい場所に淡々と行き、そこで映像を撮り、たまに街の現状をシビアな眼で見ていくというのが目標。尾道に限らず、どの街でもこれが出来たらいいのかもしれないが、いかんせんこれまでの旅は観光にバロメータ全振りだったので、どうしても撮影が片手間になってしまうし、現地の雰囲気を「観光客」としてしか捉える事ができなかった。もちろん「観光客」という立場も思想も概念もこうした考え方ひとつでは変わらないけど、せめてその「観光客」というフィルターから少しでも離れた目線で街を見たい。

 今回の旅のもう一つの目的は、とあるカメラを借りたので、試験的に使いたいというものである。

www.rentio.jp

 上記の「DJI Osmo Pocket」という小型の映像カメラは、プロのカメラに搭載されているようなジンバルというものを搭載しており、小さいのにブレに強い。更に、小さいのに4K解像度*1で撮影できるのも魅力。機能がいっぱいなのに、小さくてかわいい。

 ただ、こいつはかわいくないところが2つほど挙げられよう。値段の高さ在庫の少なさだ。

 この Osmo Pocket、我が家の犬に噛ませて遊ぶ骨のやつ(正式名称がわからない感じの)と重さも大きさも互角なくらいなのに、値段はカカクコムの最安値*244,890円。そっちはかわいくも軽くも小さくもないのかよ! まあ、でもこれだけハイスペックだと仕方のないところもあるのだろう。IT製品は総じて小さくするのに技術がいるもんな。

 もう一つの悩みの種は、どこに行っても在庫がないし実機もないから触れなかったという点。私の住む兵庫県内でこの機種を見たことは一度たりともない……。あそこにはあるだろうと思ってハーバーランドのumieにあるソフマップにも行ったし、三宮の星電社ことヤマダLABI三宮にも行ったけど、そもそも機種自体が置いてなかったりする。大阪まで足を伸ばすと、梅田のヨドバシだとか、天王寺ビックカメラには展示用の実機が置いてあるんだけど、こんどは在庫がない。値段はこれほどでも、売れまくっている。

 であるならば、せめてレンタルで使いたいと思いたち、レンタルサービス「レンティオ」で借りた次第。頼んだ2日後に時間指定でやって来て、その迅速さに驚いたなど。

 旅に持っていくものはこれで揃った。ならば、こちらで身構えるべきものは何なのか、そして尾道で何をどう撮るか、あと何を食べるかくらいまで書いてしまったほうが楽だと思いついてこの記事を書いている。つまり、この記事で旅の計画を整えているといっても過言ではない。そんな面倒なことしなくてもいいじゃん

 ここからは、旅を計画する中で生まれてきた諸課題について検討している。と、お硬く書いたが、まあ当然浮かぶよなということがほとんどなので、気軽に読んでいただきたい。

ネックになった予算と旅費

 まさか青春18きっぷが購入できないとは思ってもいなかった。というのは、以前尾道に来訪した際、青春18きっぷを使い地元から尾道まで4時間強かけて普通電車1本で移動することにより旅費を圧倒的に抑えていた。この力技が通用しなければ、旅費は普通電車だけでも2.5~3倍に膨らむ。実際のところ、旅費がそこまで膨らむのであれば別に新幹線を使ってもいいのではないか、という発想がこの場面で出来たのは、バイトで財力が積み増せる大学生ならではって感じもする。

 実は、JR西日本の在来線でこの区間を乗ってしまおうと思うと、姫路岡山間の長時間電車移動を強いられたり(僕はあの区間の景色が好きなのでどうしても乗りたかったが)*3、どうしても車両数が少なく通勤客と青春18きっぷ利用客のバッティングが起こる岡山周辺での混雑が避けられそうにないのだ。で、その混雑で迷惑してるのはどちらかというと地元の通勤通学民なので、そのへんがどうにもうまくいかないところなのだろうが、何はともあれ目的地に楽に着こうと思うと新幹線を使わざるを得ない。

 そういうわけで旅費は一気に5倍になったのだが(とはいっても遠出をする機会なんて滅多にないのでそれぐらい掛けてもいいような気がする)、こうなると現地での浪費を控えないといけないはずだ。とはいえ、学生旅行なので今までのように食費と「体験費」(渡船やロープウェー)くらいで考えておけばいい。お土産はその場で考えておけばいいし。

 ただし気をつけておかなければいけないのが、「わざわざ観光客向けに設定されたメニューや、吊り上げられていそうな値段には敏感にアンテナを張る」くらいか。ちょっとくらい高くてもそれは観光の対価と割り切れよう、しかし観光客目当てで値段がすごく高いという場合は間違いなく入らないはずだ。実際、Twitterの評判でそういった場所を少し聞いているので、そのあたりは注意したい。

光は敵にも味方にもなる

 今回 Osmo Pocket を使うに当たって、前回使っていた重量級のカメラ(祖母から借りているもの)は持っていかないことにした。被写体深度やこだわれる自由度、なにより写真の画質は断然カメラのほうがいいに決まっているのだが、今回は動画をメインとして撮るつもりだし、なにせ、重い。もうアホみたいに重い。尾道は坂の町であり、坂を登って行くような寺社仏閣があちらこちらにある。それを、カメラを首から提げて一枚一枚撮っていくのは、ちょっと辛い。職業カメラマンの方はそれをされているから凄いなと思う半面、ちょっと一枚一枚の調整は難しそうだなと感じたのも理由の一つ。

 ただ、光やボケ感の調整に関しては、本来そのカメラのほうが優れている。osmo pocket は絞り値(f値*4が固定のため、その辺の調節が難しい。さらに、osmo pocket が強い光の下での撮影を苦手としているように僕は感じる。光の量を直接フィルターで減らすしかなく、しかもそれは別売り。やや太陽光が強い夏や海の照り返しなどでは不安だ。

 そうした意味で、僕が一番不安に感じている場面がある。尾道駅前をまっすぐ出ると海が開けるのだが、そこでの太陽の照り返しは逆光に近い。うまく光を味方につけないと黒つぶれしてしまいかねない。かといって試行錯誤する時間は osmo pocket のバッテリーの持ちなどからしてあまりないはずなので、一発本番という形になりそう。
 光に対しての不安をもう一つ挙げると、osmo pocketに接続して使う形の iPhoneXR の明るさも調節しておかないと撮影しにくい可能性が高い。まあ、これは設定でなんとかすればいいけど。

 ここまで光のことをボロクソに書いているが、光はそもそも映像や写真に味方してくれるものだ。ただ、それが神みたいに「光あれ」といっただけでは簡単についてきてくれる代物じゃないこともよくわかっている。どこに光があたっているのか、被写体によって変えていくこと、そうした基礎を学びたい点からも、尾道という少し慣れている場所を選んだ理由だ。

不要な疲労を減らそう

 「『ひとり旅は、ひとりだから誰も助けてくれない』と思ってやったほうが楽に旅ができる」と前回の旅で学んだため、今回は極力自分の体に負担をかけないように、でも大事なところで体力が使えるように工夫しておきたい。

 動き回ることになりそうな今回の旅では、少しでも節約したいというケチ根性と、新しくなってるし観光客も多いために、駅前のコインロッカーは使えないだろうという想定に立って、極力荷物を減らしている。リュックだとなんでも詰め込めてしまう上に、ついつい嵩張るので電車など狭い所で使いにくい。そこで発掘したのが、中学生の時に使っていたアディダスのスクールバッグである。本当はもう少し格好いいのが良かった。本当に心から、この歳になってアディダスのスクールバッグなんて使いたくないと今でも思っている。これが、通学の中学生・高校生も乗ってくる在来線の旅行でなくて本当に良かった。でも、このバッグなら見渡しはスムーズに効く。唯一の懸念は水物(ペットボトルなど)の管理だが、一応サイドポケットがついているので、無理やりねじ込む。

 さらに、これも前回の反省からなのだが、とにかく細かく水分補給と食べ物を口に放り込んで置かないと脱水するという教訓がある。夏ではないのであまり気にしなくていいかもしれないが、やはり歩き回るので水分はこまめに取る方がいいはずだ。

画面に映すことを意識した撮影

 さて、今回の動画撮影は編集ソフトを用いて後々に成果物を残すためにも行うつもりでいるが、その際にやはり動画の構成を考えて撮ることが重要になりそうだ。なにせ、意味のないショットを撮るのは、写真のような偶発性を持ちづらい動画では構成への雑念となりかねないのではないかという不安がある。もっとも、これは撮ってみないとわからないことだが。構成には、リズムや構図が含まれている。

 構図やリズムを考える際、今回はホワイトボードを使ってみようと思う。すぐに書けるし、すぐに消せる。ラフな構図を書いておいて、それに合わせて撮るというスタイルが理想だ。

 また、明るさを意識して撮らないと、光の強さによっては黒つぶれ・白飛びを起こすので、その辺りはやりながら考えようと思う。

行くつもりかもしれない場所

 以下は行くつもりかもしれない場所を列挙。ソース元はほとんどTwitterの口コミです。

尾道駅
 3月10日にリニューアル。ただテナントはやや観光客寄りの値段設定らしいけど……?二階テラスがあるのでそこからは撮影しておきたい。

・千光寺
 鉄板です。猫と尾道水道を撮るのは既定路線で、千光寺の煽りカットとか岩のカットを撮るかなと。

・駅前の海岸通り・渡船
 福本渡船から見える海がいいので渡るだけ。渡りながら撮ります。海岸通りは商工会議所脇の河津桜が見頃か。

尾道ラーメン
 Twitterの評判から尾道一番・つたふじのどちらかを選ぶ可能性が高い。

・定食屋どん吉
 定食が日替わり700円、てんこ盛りと聞いて。

・桂馬蒲鉾本舗
 単にたまご天が食べたいだけではあるが、老舗の蒲鉾店として有名なのでぜひ一度立ち寄りたい。

・みはらし亭
 本当はゲストハウスだけど、平日は15時からカフェとして営業する、千光寺までの道のりの中間ほどにある元・別荘。

尾道デニム
 買わないし、撮らないけど、一度は寄っておきたいと思っていた。島の方に行かないので時間に余裕があるし、行かないと。

・Satie
 穴場の珈琲店らしい。それ以外の情報が入ってこない。

・KENDAMA ROCK CAFE
 けん玉って、いいよね。

・本と音楽 紙片
 「あなごのねどこ」というゲストハウスの奥にある文化の匂いがプンプンの書店?。

お好み焼き屋
 意外とこっちに関してはあんまり情報がない……因島までいけば「いんおこ」が食えるけど、ちょっとそこまでは行けないかなあ。

 

*1:正確には4K UHDといって、3840×2160というアスペクト比で撮影できる。まあ難しいので今の地上波フルハイビジョン画質の2倍と思っておいてください

*2:

kakaku.com

*3:姫路岡山間は新幹線では約20分・在来線では約90分という格差。JR西の新幹線オーラを感じる

*4:レンズに入ってくる光を調節する度合い。その名の通り、光を調節するための板が作り出す円の大きさを絞る(小さくする)ことで調節できる。絞り値が小さいときは光がいっぱい入るため、手前にピントが合うようになる