進化の一年と「青空」 ~fhanaの次の一手
先日、僕の好きなアーティスト・fhanaの新曲「青空のラプソディ」が発表された。
僕のfhana愛はこんな記事やあんな記事、そしてこんな記事(これなんてわからない人のほうが多い)で参照していただければわかると思うが、本当にこのアーティストには驚かされる。常に新たな発見があり、かといって気張らず気楽に聞くことのできる間口の広さが、アニソンを主体に活動しつつもそれ以外のフィールドにもファンを獲得する秘訣なのではないだろうか。
そんな彼らの新曲なのであるが、今日は彼らの代表曲にして名曲の「星屑のインターリュード」との対比を感じつつ、先日初解禁されたワンコーラスに注目して備忘録を記していきたい。
タイトルからして、「青空」と「星屑」では真反対のポジションにある。曲調も一方はクラップ山盛りはっちゃけたメロディー、もう一方はストリングスをふんだんに使いポップだけど切ないメロディー。違うアニメではあるが、オープニングとエンディングというポジションの違いもある。fhanaのこれまでの進化とこれからの普遍性を感じる対比である。
「つまりはらしくないようで
でも今じゃとびら開けてほら
声が聞こえるよさあ 行こう(どこへでも)」
この曲は、9thシングル「Calling」で「羽を休め」て、この曲で飛び立つ、そしてリスナーを飛び立たせる一曲として位置していると思う。前曲から間がないままにで再生したらムードの差に卒倒しそうだけど、これでいいしこれがいい。
「僕は君の翼に なれる勇気があるよ
どんな試練も怖くない その魔法があるから
初めて出会う世界に 花束を贈ろう ただその瞬間結ばれるの」
fhanaの曲では久しぶり?にホーンの音が入った明るい曲調でBPMも早い一曲。yuxuki waga(Guitar)曰く最高難易度。この一曲のカロリー消費の高さとライブの盛り上がりは凄いんだろうなぁ。
この曲も含め、ほぼすべての曲でハイトーンに次ぐハイトーンをクリアしていったのが、towana(Vocal)だ。
今年に入ってから、思えば彼女だけでなくfhana全体としてチャレンジ続きだったのではないだろうか?「虹を編めたら」では2サビ終わりの、
「闇の中見つけたよ(ほら君ずっとそこにいた)
どこにもね混じれずに(僕ならきっと君救えるよ)
その手ほら差し伸べて(今からずっと遠い世界に飛び立っていこう おいでよ)」
は本当にハイトーンを容赦なくふんだんに使っているほか、towanaと佐藤純一(Keyboard)のダブルボーカルによりデュエットの強力さを見事に支えきった。
「What a Wonderful World Line」の新曲は全七曲で、スケジュール的にもかなりの難易度だったという。後のインタビュー(リスアニ!TV)でも「ギリギリセーフだった」「タッチの差だった」とスケジュールを振り返りつつも、towanaの「瞬発力が鍛えられた」と素晴らしい一言。初の英詩曲「Relief」はあまりの自然さから、ふぁなみりーのみならず、その中のオーディオクラスタ「ふぁなーでぃお」では相性確認に良いと評判だ。
「Calling」は少ない音数でいかに魅力的に見せるかが工夫された作品、とみた。テイルズとの雰囲気ともマッチして、非常に荘厳ながらも優しい雰囲気を持つ曲になった。
そしてfhanaはこの曲で、また一歩進む。
アニメの主題歌として曲を作りつつも、曲間にあるストーリーは非常に壮麗に紡がれている。fhanaが考え続ける「世界線」は見事に観客を楽しませている。創作における理想だ。
fhanaの次の一年に期待である(しかし来年って僕は受験生である)。