辛いときこそ高校野球の実況を思い出してみよう
世の中は照りつける逆光を睨んで進むものだ。
たとえば、大学受験。マークミスはセカンドが捕ったと思ったボールをこぼすエラー、
「セカンド、ボールを捕っ……あー! こぼしているーーーー!!!! その間に二塁ランナーは一気にホームに帰ってくる!!!!」
このセリフで焦らないものは多分いない。
問題の回答がコンマ1秒でひらめいたなら、バックホームに例えるとテンションが上がる。
「四番平田、左中間を強襲したーーーー!!!! しかし肩の強い好返球が、いいボールが、バックホーム!!!! タッチは……アウト!」
「加速する三振ペース! 三者連続三振! 合格へと、辻内の左腕が唸る!!」
さらにお好みで二塁ランナーを背負うと緊迫感が高まる。
ちなみに自分を攻守のどちらかに置くかはお好みで。「必ず決めなければいけない」なら守り、「ここまでに仕上げなければならない」なら攻めがいいだろう。
攻めという意味では、制限時間ギリギリにまだ大問一つ分残っているならこんなことを考えてみるといい。
「9回ウラ、四番打者は打ち上げた……2塁ランナー進めないまま。とにかく反撃しようとしますが、遥か遠いのが甲子園のホームだ」
大問一つ分を数分で解き上げるためには、進塁打を放つ勢いを焦りで作らねばならない。
大学受験だけにとどまらない。小が漏れそうな時に思い出していただきたいのが、このセリフだ。
「ピッチャー、ゴロ! 三塁ランナー飛び出していきます、ピッチャーが追い込んでいきます、あー、あー……セーフになった、それを見て一塁に送る…………送球が、逸れたーーーー!!!! その間に三塁ランナーホームイン!! 二塁ランナーも勝ち越しのホームイン!!」