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センバツ四強出揃う

 4月になりました。当ブログはブログデザインを一新しました(スマホは見ていないので対応してるかどうか分かりません)。これからもご愛読よろしくお願いします。
 今回は、春の選抜高校野球についての記事です。目次はこちら。

 

試合の振り返り

 さて、新元号は「令和」になりました。「平成最後」のフレーズが大流行してもはや”ええじゃないか感”が出ている感じですが、甲子園も平成最後の春を迎え、そしていよいよその桜は満開のときを待っています。最後に花を咲かせるのはどの高校なのでしょうか。

 3月31日、阪神甲子園球場は唯一の4試合日。この試合を以って準決勝進出チームが決まりました。どのゲームも紙一重だったと思います。まずはこの振り返りから。

第一試合:習志野(千葉)ー市和歌山

 試合は序盤、習志野が先制しながらも市和歌山のペース。習志野先発・岩沢の立ち上がりを攻めて1回裏に4連打を浴びせた市和歌山だったが、2回から習志野は大黒柱の飯塚が登板。この飯塚が失点にブレーキを掛けると、5回・6回と習志野が1点づつ返し同点。7回も守備ミスも突いてゴロの間に勝ち越し、飯塚が継続登板のマウンドを守りきった。
 飯塚は8回にライナーを身体に受けて一時マウンドを降りると、習志野ベンチは2回戦で主軸・主将の根本の負傷時のような不安に包まれたが、なんとかマウンドに戻ってきた。この根本・飯塚の復調が、次の試合の勝敗を握るのではないか。
 市和歌山は先発の柏山が3回1失点、残りのイニングを初戦完投の岩本に託したが、その岩本が習志野の粘りに屈した形。さらに打線も2回以降は沈黙した。
 総合的には、様々な騒動に巻き込まれながらもやはり星稜を倒した実力主義習志野が地力の差を見せた。

第二試合:明豊(大分)ー龍谷大平安(京都)

 矢は2本だと思っていたら、3本だった――この感想がぴったり当てはまる試合もそうないこと。神がかり的な投手戦となった。
 明豊の先発は秋までエースの寺迫。甲子園では「3本目の矢」ながら、チームの信頼に応える風格たっぷりの投球で5回を投げる。一方、平安の先発は監督が「ハシビッシュ」と呼ぶ橋本。彼も安定感を見せ、6回で被安打2と譲らない。
 2人目になっても崩れない両校の投手。明豊は前の試合も登板した若杉。彼も走者を背負いながらもきっちり打ち取って無失点。一方、平安・野澤は2試合完投ながら鉄腕っぷりを見せた。
 白熱の試合は11回の攻防が明暗を分けた。平安は無死1・2塁の好機を活かせなかった。その裏の明豊は四球と守備ミス、さらに振り逃げで二死満塁。最後は途中出場の後藤が長打でサヨナラ勝ちを決めた。

第三試合:東邦(愛知)ー筑陽学園(福岡)

 平成最初の頂点にいた東邦は、平成最後も全力で狙う。
 東邦の石川が打たせて取る投球で充実の内容、打撃陣は上位打線がマークされる中で下位打線が爆発力を見せた。事実、4回の2得点は下位打線の3連打。
 筑陽学園は自慢の継投が通用しなかった。先発・西が3失点、2番手の菅井が2失点、さらに3番手の西館も2失点と、どの投手からも満遍なく得点を奪われた。打撃陣は序盤の立ち上がりを攻めたかったが、石川に躱された。
 序盤にロースコアの接戦に持ち込んだだけに、筑陽学園は課題も見える敗戦となった。

第四試合:明石商(兵庫)ー智弁和歌山

 2年生の躍動が目立った。近畿大会準決勝の再戦となる*1
 明石商の2年生・中森は控えの投手が不調などの要因で連投を余儀なくされた。その疲れからか2回までに5四球で1点を献上してしまう。
 だがこの日の明石商はこちらも2年生の来田が絶好調。先頭打者ホームランですぐさま同点に追いつく。彼は2回にも犠牲フライで1点を追加し、リードを2点に広げる。
 智弁和歌山は焦っていなかった。5回に不調の中森を捉える。プロ注目の西川・黒川・東妻が三連打、犠牲フライも絡めて同点に追いつく。秋は完投完封を許した中森を研究し尽くしていた。
 以降は明石商・中森と智弁和歌山・小林が長打は許しても点は許さない締まった展開。共に146㌔~147㌔が最速の直球を武器に、相手を斬っていく。中森は7回に無死3塁で修羅場を迎えるが、その後の打者を凡退に抑える。
 延長濃厚かと思われた9回裏、小林に2打席連続の凡退を許していた来田が打席に立つ。ストライク2に追い込まれたあと、彼が捉えた打球はスタンドイン。劇的なサヨナラ勝ちを見せた。

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優勝した場合の想定コメント

 雑感として、例年以上に投手力が非凡な高校が上位に勝ち上がってきたという驚きと、それを支える背後の堅守が強さを示したという試合が多かったなという印象。
 順調に行けば4月3日に優勝校が決まるが、その優勝校に対して、テレビ実況でどのようなコメントがなされるのであろうか。予想してみた。

習志野が優勝した場合

 勝つとしたら明石商相手になるか。投手層の厚い明豊、打撃陣の好調な東邦には力負けするかもしれない。
 習志野吹奏楽部の「美爆音」で話題になったので、その辺りは実況コメントに絡めて来るだろう。また、主将の根本・投手の飯塚が負傷交代しながら勝利したあたりも触れられるか。想定コメントは以下の通り。
夏2回優勝の伝統校、春はセンバツ初優勝!エース根本は決勝のマウンドを守りました。吹奏楽部の美爆音とともに、主軸を欠きながらも、辛抱強い野球で勝ち抜きました

明豊が優勝した場合

 どこと対決しても勝てる実力を持つ。安定した投手力と試合を決められる打撃力の両輪を活かせるか。
 OBのソフトバンク・今宮選手在籍時の実績を超えた件は野球ファンの内輪感が強いが、大分県勢の半世紀ぶりの春制覇、については触れられる確率は高いだろう。想定コメントは以下の通り。
明豊高校、初優勝!大分県勢52年ぶりのセンバツ優勝。三投手の継投は最後まで貫きました

東邦が優勝した場合

 こちらもどことぶつかっても勝てる可能性がある。先程の試合内容の充実度からして負ける要素がない。
 実況はおそらく改元を絡めてくる。想定コメントは以下の通り。
平成最後の春は東邦高校が優勝!平成元年、山田喜久夫を擁して頂点に立った、そのポジションには石川!

明石商が優勝した場合

 贔屓目が入るので恐縮だが、東邦を撃破したらどこに当たっても勝てるかもしれない。
 公立校の優勝は大きなトピックだが、来田で決着がついたらそれはそれで面白いので、想定コメントはそっちで書く。
やはり来田が決めたー!!右中間にスタンドイン!!明石商、2年生躍動で初制覇!

 

*1:その際は、明石商が智弁和歌山に5回コールド:12-0